社会保険に加入すべき事業所
法人事業所や常時5人以上の従業員を使用する事業所(一部の事業を除く)は、健康保険と厚生年金保険が強制適用となり、適用事業所となります。
そして、適用事業所に使用されている人は、下記の適用除外に該当する場合を除いて、すべて被保険者となります。
被保険者とならない者(適用除外)
- 船員保険の被保険者(疾病任意継続被保険者を除く。)
- 臨時に使用される者であって、次に掲げるもの イ)日々雇い入れられる者 ロ)2か月以内の期間を定めて使用される者
- 所在地が一定しないものに使用される者
- 季節的業務に使用される者(継続して4か月を超えて使用されるべき場合を除く。)
- 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して6か月を超えて使用されるべき場合を除く。)
- 国民健康保険組合の事業所に使用される者
- 後期高齢者医療の被保険者等
- 厚生労働大臣、健康保険組合又は共済組合の承認を受け一定期間国民健康保険の被保険者となった者
但し、説明の便宜上、上記2.4.5については、日雇特例被保険者の場合を除きます。
ところで、厚生年金保険に加入しているのに、国民健康保険に加入という組み合わせを耳にしたことありませんか?
どうしてこのようなことがあり得るのでしょうか?
その答えは、国民健康保険組合に継続加入している場合にあり得ます。
国民健康保険組合
国民健康保険組合(以下国保組合)とは、国民健康保険法に基づいて、国民健康保険を運営するために、同種の事業または業務に従事する者等を組合員として組織する団体で、国の代行という形で運営している団体です。
医師、歯科医師、土木建築等多数の業種があります。
国保組合に入るメリットは、市区町村の運営する国保に比べ
- 保険料が一律の場合が多く、収入が高い人にとって保険料負担が低い
- 給付内容が手厚い
と言われています。
また、社会保険と比べ
- 場合によっては、保険料が安い
- 法人(事業所)にとって、法人負担分がない
と言ったメリットがあるのではないでしょうか。
健康保険被保険者適用除外承認申請
健康保険の適用除外は、国保組合に認められている制度で、事業主が健康保険適用除外承認を申請し、それを年金事務所が承認するしくみです。
個人事業としてすでに国保組合に加入している事業所が法人成りしたり、個人事業所の従業員が5人以上になった場合に適用除外の承認を受ければ、国保組合に継続して加入することができます。
その場合、健康保険適用除外を受けようとする日から5日以内の届出が必要となります。
この「5日以内」というのは、5営業日ではありません。土・日・祝祭日も含まれます。
国保組合の方がメリットありそうと思っても、申請期日を過ぎてしまうと年金事務所に受け付けてもらえません。法人成りのケースでは、あらかじめ設立の準備を行っている時点で検討し、申請期日を忘れないように注意が必要です。
すでに国保組合に加入していて法人成りを検討している方は、常に検討事項として適用除外申請も念頭に置いておいたほうが良いのかもしれませんね。