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1. 青色申告
青色申告制度、皆様ご存知かと思います。
一定水準の帳簿を作成し、その帳簿に基づいて正しい申告をする人には有利な取り扱いをしますよ という制度です。
ここではその有利な取り扱いについては割愛しますが、事業を始めるならばこの制度を使うことを強くお勧めします。
ところで、この制度は事業を始めれば自動的に適用されるものではありません。一定の期間内に税務署に承認申請をしなければいけません。
今回は、いつまでに青色申告の承認申請をしなければいけないかについてです。
2. 法人の青色申告承認申請
法人の場合の青色申告承認申請は、事業年度開始の日の前日までに提出するのが原則です。
しかし、この原則ですと新規設立法人の場合最初の事業年度には青色申告ができないことになってしまいます。
そこで、新規設立法人はその事業年度開始の日から3か月経過した日までに提出することにより青色申告ができることになっています。
なお、その3か月経過した日がその事業年度終了の日より後の場合は、その事業年度終了の日までです。(あまりないと思われますが・・・)
このように期限はあるのですが、法人を設立したらすぐに提出してしまいましょう。
3. 個人の青色申告承認申請
個人の場合は、青色申告をしようとする年の3月15日までに提出するのが原則です。
こちらも、新規開業の場合は特例が設けられています。
事業開始から2か月以内に青色申告承認申請を提出することにより青色申告を受けることができます。
こちらも事業開始したらすぐに提出するようにしましょう。
4. 相続があった場合の青色申告承認申請
さて、ここからが本題です。
相続が発生し、相続人が故人の事業を引き継ぐことは多いと思います。
事業所得となる事業の場合は、事前に準備をしていることも多く税理士も関与していることも多いためあまり問題にはなりません。
しかし、不動産所得すなわち貸アパートなどを故人が所有していた場合、相続税は気にしてますがその後の所得税に対する関心がないためか、承認申請の提出忘れが多く見受けられます。
4-1. 故人が青色申告で申告していた場合
故人が青色申告で申告していた場合には、亡くなった日から4か月以内に提出する必要があります。
ただし、9月以降10月末までに亡くなったときはその年の12月31日までです。
そして、11月以降に亡くなった場合は翌年2月15日までになります。
9月以降に亡くなった場合には、4か月後が年を越してしまうため少し調整されているという理解です。
4-2. 故人が白色申告で申告していた場合
故人が白色申告で申告していた場合には、上記4-1.の特例は使えません。
すなわち、青色申告で申告するには、その年の3月15日 若しくは 亡くなられた日から2月以内のいずれか遅い日までに青色申告承認申請を提出する必要があります。
これは注意が必要です。
相続税の申告を税理士に依頼しても既に提出期限が過ぎているという事案も見かけます。
5. まとめ
いずれにせよ青色申告で申告しようとするときは、事業を開始したらすぐに提出しましょう!
因みにですが、賃貸不動産が相続財産にある場合には、相続人全員が青色申告承認申請を出すことをお勧めします。これは、相続開始から遺産分割が確定するまでの間その相続財産は、相続人で共有していることになるためです。
もちろん、適正な帳簿をつけるというのが大前提となります。
なお、簡潔に書いていますので、この記事を端緒にしっかりと調べて自分の責任の下で手続きを進めるようにしてください。