就業規則の作成 -労働者になる人?ならない人?—

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1. 常時10人以上の労働者

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成しなければならず、作成または変更した就業規則を行政官庁に届け出なければなりません(労基法第89条)。

 

「常時」とは、「常態」としての意味をいい、何らの事情により一時的に10人未満になる場合でも、通常10人以上使用している場合を言います。逆に、繁忙のため一時的に雇用し10人以上になる場合は含みません。

 

次に「10人以上の労働者」はどういった者が該当するのでしょうか?

 

ここでいう労働者は、すべての労働者を指しています。したがって、パートタイマーやアルバイト、契約社員などの非正規の社員も含まれます。これに対し、労働者でない役員や派遣労働者等は含まれません。

 

2. 執行役員は?

役職に「役員」とつくけれど、執行役員は、労働者なのでしょうか?

 

執行役員とは、取締役会が選任し、代表取締役の指揮監督の下、業務の執行に専念する者です。会社法上、特に規定がなく、登記の必要もありません。また、株主に対して責任を負うこともなく、会社法上は使用人としての位置づけです。

したがって、一般的には、使用人すなわち労働者として考えられています。

 

ただし、執行役員が労働者かどうかという判断は、過去の判例等にもあるように、事実認定により判断されます。

取締役のように、業務執行に関し意思決定権限があり、経営に従事していると認められるなどの認定事実があれば、労働者に該当しないことになります。

 

3. 税法上のみなし役員は?

上記、執行役員同様、会社法上の役員ではないけれど、税法上のみなし役員はどうなのでしょうか?

 

税法上のみなし役員とは、次のいずれかに該当する者です。

① 使用人以外の者で経営に従事している者

② 同族会社の使用人のうち特定株主に該当する者で法人の経営に従事している者

 

役員ではなくても「経営に従事している者」が該当していることがわかります。

したがって、「労働者」ではないと考えられます。

 

4. まとめ

労働者を判断するにあたり、経営に従事しているかどうかが大きな判断基準となっています。

 

また、形式的には雇用保険の適用があるかないかを判断基準にしてみてはいかがでしょうか。その場合、意図的に雇用保険の対象から外している等は論外です。

パートタイマーなど雇用保険加入条件から外れる場合でも、加入の判断をしているのですから、労働者として判断していることがわかります。

したがって、大方は解決できることが多いと思います。

 

最後に蛇足となりますが、就業規則は、10人未満だから「作成する必要がない」と言っているのではありません。

労働契約において労働条件を定めなければなりません。複数の従業員を抱える中で個々の従業員の労働条件がバラバラであると統制が取れません。その意味でも統一的なルールを定める必要があるのです。また、従業員間で不公平が生じないようにする必要もあるのです。

 

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