平成26年分 年末調整のポイント
今年も年末調整を行う時期がやってまいりました。
年末調整は、給与の支払をうけるサラリーマン等一人一人について、毎月の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足額を精算する手続です。
年末調整の手続きは昨年と何ら変わることはありませんので、改正点に注意して正しく計算しましょう。
最近は、給与ソフト・年末調整ソフトといったソフトを利用する方が多いと思います。
はじめる前には、ソフトが更新されているかどうか確認してから作業をはじめましょう。
平成26年分年末調整を行うにあたっての注意点
平成26年分の年末調整は昨年から大きな改正はありませんが、以下の処理について注意が必要となります。
1. マイカー等を利用する人が受ける通勤手当の非課税限度額の改正
マイカー・自転車等で通勤をする方に支給される通勤手当について一定の限度額まで非課税とされています。
その通勤距離に応じて定められた金額(非課税限度額)が引き上げられました。
平成26年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について適用されます。
この改正は平成26年10月17日に「所得税法施行令の一部を改正する政令(平成26年政令第388号)」が公布され平成26年10月20日に施行されました。
このため平成26年4月1日以後に支払われる通勤手当について遡及して適用されることとなります。
年末調整において既に過納となっている源泉所得税を精算する必要があるので注意が必要です。
通勤距離(片道) | 1カ月の非課税限度額 | |
改正前 | 改正後 | |
2q未満 | 0円 | 0円 |
2q以上10q未満 | 4,100円 | 4,200円 |
10q以上15q未満 | 6,500円 | 7,100円 |
15q以上25q未満 | 11,300円 | 12,900円 |
25q以上35q未満 | 16,100円 | 18,700円 |
35q以上45q未満 | 20,900円 | 24,400円 |
45q以上55q未満 | 24,500円 | 28,000円 |
55q以上 | 31,600円 |
詳しくはこちらのページをご参考ください。
2. 2年前納制度による国民年金保険料の社会保険料控除
平成26年4月から国民年金保険料の「2年前納」制度が始まりました。
2年前納により納めた国民年金保険料を所得控除する場合、以下の方法を選択適用することができます。
@ 全額納めた年に控除
日本年金機構より送付された控除証明書の納付済保険料の証明額欄に記載されている額が控除額となります。
A 各年分の保険料に相当する額を各年に控除
日本年金機構より送付された控除証明書に「社会保険料(国民年金保険料)控除額内訳明細書」を添付して提出してもらいます。
この方法を選択した場合には、翌年以降の各年の申告に必要となる控除証明書を日本年金機構に発行依頼してもらって下さい。
詳しくはこちらのページ 若しくは 日本年金機構のページ をご参考ください。
3. 平成27年分以後の給与計算事務
平成27年分以後の所得税の税率について改正が行われています。
この改正に伴い「給与所得の源泉徴収税額表」及び「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」等が改正されました。
平成27年1月1日以後に支払う給与等からは、新しい税額表を使用してください。
年末調整の仕方
年末調整の手続がスムーズに行われるためには、年税額計算のための準備を十分行っているかにかかっています。
すなわち、従業員の皆さんから提出してもらう年末調整に必要な申告書とその添付書類が会社が決めたスケジュールの期限までにそろっていることが重要です。
スケジュール*1 | 期限(法定期限) | 使用する書類*3 | ||||
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11月 | 年末調整に必要な書類の準備 | 各申告書の配布*2 回収・チェック |
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12月 | 年末調整の処理 | 「源泉徴収簿」 | ||||
給与と徴収税額の集計 | ||||||
給与所得控除額の計算 | 「平成26年の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」 | |||||
所得控除額の計算 | 「扶養控除等(異動)申告書」 「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」 保険料控除証明書等 |
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年税額の計算 | 「住宅借入金等特別控除申告書」 金融機関等の残高証明書 |
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1月 | 源泉徴収票の交付 | 10日 or 20日 |
源泉所得税(徴収税額)の納付 | |||
31日 | 支払調書及び法定調書合計表の提出(税務署) | |||||
給与支払報告書(総括表)の提出(市区町村) |
『平成26年分 年末調整のしかた』が便利です。
上記冊子は税務署でもらえます。あるいは国税庁ホームページに掲載されています。
<平成26年11月10日更新>