平成24年分 年末調整のポイント
今年も年末調整を行う時期がやってまいりました。
年末調整は、給与の支払をうけるサラリーマン等一人一人について、毎月の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足額を精算する手続です。
年末調整の手続きは昨年と何ら変わることはありませんので、改正点に注意して正しく計算しましょう。
最近は、給与ソフト・年末調整ソフトといったソフトを利用する方が多いと思います。
はじめる前には、ソフトが更新されているかどうか確認してから作業をはじめましょう。
平成24年分年末調整を行うにあたっての注意点
1. 介護医療保険控除の新設に伴う生命保険料控除の改組
(1) 平成24年1月1日以降に締結した保険契約等(新契約)
平成24年1月1日以降に契約した保険契約等について、現行の一般保険料控除、個人年金保険料控除に加え介護医療保険料控除が新設されました。
新契約にかかわる一般保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除の適用限度額は、それぞれ4万円とされ合計適用限度額が12万円となります。
(2) 平成23年12月31日以前に締結した保険契約等(旧契約)
平成23年12月31日以前に締結した保険契約等については、従前の一般生命保険料控除、個人年金保険料控除が適用され、適用限度額はそれぞれ5万円、合計適用限度額10万円となります。
(3) 新契約と旧契約の両方についての保険契約等
新契約と旧契約の両方について保険料控除の適用を受ける場合は、新制度の控除限度額が上限とされます。
2. マイカーなどを利用する人が受ける通勤手当の非課税限度額の改正
マイカー通勤等をする方に支給される通勤手当について一定の限度額まで非課税とされています。
この限度額について、従来は役員・従業員等の通勤距離(合理的な通勤経路に沿った距離)に応じて定められた限度額のほか 、 その者が通勤の為に交通機関を利用したとするならば負担することとなる運賃等の金額(以下「運賃相当額」といいます)も認められていました。
今回の改正により平成24年1月1日以降受けるべき通勤手当について、運賃相当額は認められなくなりました。
すなわち、マイカー通勤等をする方に支給される通勤手当については、通勤距離に応じて定められた金額が非課税限度額となります。
通勤距離(片道) | 1カ月の非課税限度額 |
2q未満 | 0円 |
2q以上10q未満 | 4,100円 |
10q以上15q未満 | 6,500円 |
15q以上25q未満 | 11,300円 |
25q以上35q未満 | 16,100円 |
35q以上45q未満 | 20,900円 |
45q以上 | 24,500円 |
年末調整の仕方
年末調整の手続がスムーズに行われるためには、年税額計算のための準備を十分行っているかにかかっています。
すなわち、従業員の皆さんから提出してもらう年末調整に必要な申告書とその添付書類が会社が決めたスケジュールの期限までにそろっていることが重要です。
スケジュール*1 | 期限(法定期限) | 使用する書類*3 | ||||
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11月 | 年末調整に必要な書類の準備 | 各申告書の配布*2 回収・チェック |
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12月 | 年末調整の処理 | 「源泉徴収簿」 | ||||
給与と徴収税額の集計 | ||||||
給与所得控除額の計算 | 「平成24年の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」 | |||||
所得控除額の計算 | 「扶養控除等(異動)申告書」 「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」 保険料控除証明書等 |
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年税額の計算 | 「住宅借入金等特別控除申告書」 金融機関等の残高証明書 |
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1月 | 源泉徴収票の交付 | 10日 or 20日 |
源泉所得税(徴収税額)の納付 *4 | |||
31日 | 支払調書及び法定調書合計表の提出(税務署) | |||||
給与支払報告書(総括表)の提出(市区町村) |
※参考※
いわゆる「震災特例法」により平成25年から平成49年までの各年分の所得税に係る基準所得税額に対し2.1%相当額の復興特別所得税が課税されます。
これに伴い、平成25年1月より支給する給与に係る源泉所得税額が変更になります。
平成25年1月の給与計算の際に給与ソフトが更新されているか確認をした上で作業を進めてください。
『平成24年分 年末調整のしかた』が便利です。
上記冊子は税務署でもらえます。あるいは国税庁ホームページに掲載されています。